【オノマトペ(擬音語・擬態語)】
(6)言語記号に関する問題
📖赤本(第4版)関連箇所:P98「1 言語記号の特徴」
言語記号には次の特徴があると言われています。
☞超重要絶対暗記 《言語記号の特徴》
⦿言語記号の二面性
⦿言語の恣意性
⦿言語の線条性
⦿言語の分節性/二重分節性
⦿ラングとパロール
⦿通時態と共時態
このうち、言語の意味と音形の関係は偶然に結び付いたものにすぎず、両者の間に必然性はない、とするのが言語の恣意性と呼ばれるものです。言語の意味と音形には必然性がないから、書物を意味する音形が、日本語では「本」、英語では「ブック」、スペイン語では「リブロ」という風に言語によって音形がバラバラになっているわけです。
したがって、正解は2になります。
なお、選択肢3の言語の経済性というのは、言語の二重分節性のベースにある考え方で、限られた(少ない)語の組み合わせで無限の意味を表わすことができるというものです。
選択肢1と4についていは、本当に言語にこういった特徴があるのか、この問題用に作ったデタラメな特徴なのか私にはよく分かりませんが、言語の恣意性についてきちんと理解していれば、他の選択肢に惑わされることなく解ける問題だと思います。
選択肢に出てこなかった言語記号の特徴、「二面性」や「線条性」、「分節性/二重分節性」、「ラングとパロール」、「通時態と共時態」の意味についても、赤本P98~101を読んで確認しておきましょう。
(7)日本語の音形とイメージに関する問題
この問題は、オノマトペの具体的な例を考えてみれば、正解できるのではないでしょうか。
「トントン」と「ドンドン」
「ヒューヒュー」と「ビュービュー」
「カラカラ」と「ガラガラ」
「コロコロ」と「ゴロゴロ」
「カチカチ」と「ガチガチ」
などのように、濁音は清音に比べて、重厚感が感じられるのではないかと思います。
したがって、正解は1になります。
(8)「擬態語」に関する問題
📖赤本(第4版)関連箇所:P35「1.4 副詞」、P113「4.3 語構成」
赤本P35によると、状態副詞には次の3つがあります。
①動きの様子:「にっこり(と)」「はっきり(と)」「こっそり(と)」など。
②擬態語(擬声語、擬音語、オノマトペとも呼ばれる)
:「どんより(と)」「ペチャクチャ」「ガチャン(と)」など。
③畳語 :「キラキラ」「のろのろ」「キンキン(に)」「つるつる」など。
また、赤本P113によると、畳語は、「国々」のように語彙的な意味を持つ形態素(「国」)の反復によって構成される語です。ということは、漢字で「〇々」と書けるものはすべて畳語と言えることになります。
1 「ひそひそ」は「密々」と書けるので、畳語と言えます。
2 「しぶしぶ」は「渋々」と書けるので、畳語と言えます。
3 「ふらふら」は状態を表わしています。当てはまる漢字はなく、反復しない形「ふら」には語彙的な意味がないため畳語ではありません。擬態語と言えそうです。
4 「ごろごろ」は雷の音を表わしています。当てはまる漢字はなく、反復しない形「ごろ」には語彙的な意味がないため畳語ではありません。擬音語と言えそうです。
したがって、正解は3になります。
なお、赤本P35には畳語の例として「キンキン(に)」「つるつる」が挙げられていますが、これらの語は、「畳語は「国々」のように、語彙的な意味を持つ形態素(「国」)の反復によって構成される語である」というP113の畳語の定義から外れているので、畳語とは言えないのではないでしょうか。
「キラキラ」は「煌々」、「のろのろ」は「鈍々」で、「キラ(煌)」や「のろ(鈍)」が意味を持つことは分かりますが、「キンキン(に冷える)」の「キン」と、「つるつる」の「つる」が何を意味する語なのか?現在、翔泳社に問合せ中ですので、回答があり次第ご報告いたします。
(9)「擬態語」の用法に関する問題
赤本に記載されているような内容ではありませんが、日本語母語話者であれば、冷静に選択肢を吟味すれば、正解できる問題だと思います。
1 「がさがさと」は「がさがさと音がする」のように擬音語、「がさがさに」は「肌ががさがさになる」のように擬態語として用いられるので、選択肢1の記述は誤りであると言えます。
2 (長時間正座した後に)「足がびりびりする」のようにゼロ形態で擬態語として用いられることもあるので、選択肢2の記述は適当とは言えません。
3 「ぎゃあぎゃあ」は、赤ん坊などの泣き声を表わす擬音語(擬声語)なので、選択肢3の記述は誤りです。
4 「かちんかちん」は固い様子を表す擬態語で、「かちんかちんに凍る」のように、結果を修飾する際に「に」が使用される分かるので、選択肢4の記述は適当と言えます。
したがって、正解は4になります。
(10)オノマトペの動詞化に関する問題
これは日本語の語彙力が試される問題と言えるのではないでしょうか。
1 たとえば「がたがた」は「がたつく」という動詞にすることができます。
2 たとえば「ひらひら」は「ひらめく」という動詞にすることができます。
3 擬態語・擬音語の2拍の形態素に接尾辞「なる」を付けて動詞になるものは見つけることができません。
4 たとえば「がさがさ」は「がさばる」という動詞にすることができます。
したがって、正解は3になると思います。
💡解法のポイント
⦿普段から読書などをして語彙力アップに努めましょう。
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