問1 「述語の否定形の作り方」に関して、同じように活用する語の組み合わせとして適当なものを選ぶ問題
1 「知る」の否定形は「知らない」、「作る」の否定形は「作らない」ですが、「ある」の否定形は「ない」です。「あらない」とはなりません。よって、選択肢1は同じように活用する語の組み合わせとして適当ではありません。
2 「明るい」の否定形は「明るくない」、「悪い」の否定形は「悪くない」ですが、「いい」の否定形は「よくない」です。「いいくない」とはなりません。よって、選択肢2は同じように活用する語の組み合わせとして適当ではありません。
3 「楽しい」の否定形は「楽しくない」、「難しい」の否定形は「難しくない」ですが、「きれい」の否定形は「きれいじゃない」です。「きれいくない」とはなりません。よって、選択肢3は同じように活用する語の組み合わせとして適当ではありません。
4 「見る」の否定形は「見ない」、「出掛ける」の否定形は「出掛けない」、「できる」の否定形は「できない」です。いずれも「語幹+ない」で同じ活用となります。
したがって、正解は4になります。
問2 「応答表現『いいえ』の用法」に関する記述として適当なものを選ぶ問題
📖赤本(第4版)関連箇所:P226
1 真偽疑問文は「はい/いいえ」で答えられる疑問文のことですが、疑問詞疑問文は「~は何ですか」「~は誰ですか」「~はいつですか」「~はどこですか」「~はなぜですか」のように「はい/いいえ」で答えられない疑問文のことを言います。よって、選択肢1の記述は誤りです。
なお、真偽疑問文が「はい/いいえ」で答えられる疑問文ということは、真偽疑問文はクローズド・クエスチョンのイエス・ノー・クエスチョンで使われる疑問文ということです。ちなみに疑問詞疑問文はクローズド・クエスチョン以外の質問、つまり、オープン・クエスチョン、ディスプレイ・クエスチョン、レファレンシャル・クエスチョンで使われる疑問文となります。
せっかくなので、質問の分類についても確認しておきましょう。
☞超重要絶対暗記 《教師が発する質問(発問)の分類》
⦿クローズド・クエスチョン:答えの内容や答え方が限定される質問
・イエス・ノー・クエスチョン:はい/いいえで答えられる質問
・オータナティブ・クエスチョン:二者択一で問う質問
⦿オープン・クエスチョン:「どうしてか」「どう思ったか」など答えを自由に考えることができる質問
⦿ディスプレイ・クエスチョン:質問者があらかじめ答えが分かっている質問
⦿レファレンシャル・クエスチョン:質問者が答えを知らない質問
2 「行きますか?」「いいえ、行きません」や「行きませんよね?」「いいえ、行きます」のように、応答表現の「いいえ」は後続の応答が肯定文でも否定文でも使用できます。よって、選択肢2の記述は正しいです。
3 相手の質問に対する話題転換に使用するのは、「そんなことより」「それはそうと」などであり、「いいえ」は使いません。よって、選択肢3の記述は誤りです。
4 「いいえ」は、相手の質問に対する応答には使いますが、相づちには使わいません。よって、選択肢4の記述は誤りです。
したがって、正解は2になります。
問3 「否定の焦点」に関して、否定の焦点になっていないものを選ぶ問題
1 選択肢の文の後に続く文を考えてみましょう。「人は一人で生きているんじゃありません。多くの人と支えあって生きているんです」。つまり、否定の焦点となっているのは「人は」ではなく「一人で」の部分であることが分かります。
2 同様に後に続く文を考えてみると、「電車で大学まで通っているんじゃありません。バスで通ってるんです」。よって、否定の焦点が、通学手段である「電車で」の部分にあることが分かります。
3 後に続く文を考えてみると、「わざと間違えたわけじゃありません。わざとじゃないんです。信じてください」というように、否定の焦点が、否定の焦点が「わざと」にあることが分かります。決して「間違えた」ことを否定しているわけではありません。
4 後に続く文を考えてみると、「お金が欲しくて働いているわけじゃありません。困ってる人を助けたくて働いているんです」。よって、否定の焦点が、働く理由である「お金が欲しくて」の部分にあることが分かります。
したがって、正解は1になります。
問4 「二重否定の構文が持つ意味やニュアンス」に関する記述として適当なものを選ぶ問題
1 二重否定は、否定の否定なので、もはやそこに否定の意味はありません。よって「否定のニュアンスが強い」とする選択肢1の記述は誤りになります。
2 二重否定は、否定の意味を否定するものであり、強い肯定を表現するものではありません。
たとえば、問題文にある「楽しくなくはない」が「めちゃくちゃ楽しい」という意味にはならないことが分かると思います。よって、選択肢2の記述は誤りになります。
3 二重否定は、否定の否定なので、もはやそこに否定の意味はありません。よって、否定文よりも肯定文の意味に近いとする選択肢3の記述は適当と言えます。
4 二重否定は、否定の否定なので、もはやそこに否定の意味はありません。よって「否定の意味に近い」とする選択肢4の記述は誤りになります。
したがって、正解は3になります。
問5 「導入した文型の否定文で単純に応答させると、返答が語用論的に適切でなくなることがある」例として適当なものを選ぶ問題
📖赤本(第4版)関連箇所:〚語用論〛P133~
1 この質問に否定文で単純に応答させると、「いいえ、ダメです」となります。文法的には間違いではありませんが、会話においては決して適切な応答とは言えません。実際の会話の中では「ちょっといま使ってるんで・・・・」とか「もう少し待ってもらえますか」とか「こっちのペンでもいいですか」などが適切な答え方なのではないでしょうか。よって、選択肢1は「返答が語用論的に適切でなくなる質問の例」として適切と言えます。
2 「(いいえ)大学生ではありません。高校生です」と単純な否定表現の応答でまったく問題ありません。よって、選択肢2は「語用論的に適切ではない」例とは言えません。
3 「(いいえ)ないです」と単純な否定表現の応答でまったく問題ありません。よって、選択肢3は「語用論的に適切ではない」例とは言えません。
4 「(いいえ)できません」と単純な否定表現の応答でまったく問題ありません。よって、選択肢4は「語用論的に適切ではない」例とは言えません。
したがって、正解は1になります。
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